木のしくみ(カルス編)

2014年12月18日

ぞうさん冬も深くなり、乾燥や寒さで風邪を引かないように
予防でマスクをしている方もちらほら目立って来ました。

 

 

手洗い、うがい、アルコール消毒など特に予防に
力を入れる季節ですよね。

病気にかかるのは木も同じ。でも、木だってちゃんと
予防しているんです。
今日はどうやって木が予防しているのかお話
したいと思います。

 

 

 

 

 

(写真)ヤマモモ カルス

木でこんな形をした部分を見たことはありませんか。
これは剪定をした後、傷口の外側が盛り上がって傷を
ふさごうとしています。
これを「カルス」といいます。
人間でいうと「かさぶた」のようなものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(写真)カルス 修復後
上とは種類の違う木ですが、治った後はこのように
なります。
内側の組織は水分や養分を吸収する大事な組織が
張り巡らされています。
内側を守るため、外側の組織は「樹皮」となって
幹を守っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(写真)カルス形成後 シワ

きちんとカルスが形成されて木が成長すると
こんなふうにシワが入ります。
木はいきもの。
切る場所や切り方を間違えると木にかなりの
ダメージを与えてしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(写真)剪定後 枝残し
カルスがきちんと丸く作られる場合は、きちんと
剪定された証拠。
この写真のように枝を残すとカルスの形成が
うまくいきません。

枝を切り残してしまい、カルスがうまく形成されないと
傷口の閉じないところから腐食が始まったり、
病気を招く細菌やウイルスを媒介する虫の
すみかになってしまいます。
よく穴が空いて空洞部分がある木を見かけますが、
虫が入ってしまって穴が空いているのではなく、
穴が空いている所に虫が入ることの方が多い
ようです。

ちょっとの傷でもものによっては年間4ミリ程度
しか傷が修復されない…木は結構繊細ないきもの
なんです。

人間にとって体も心も癒してくれる、樹木。
一本一本大事に育てるのも私達の仕事です。

 

神奈川県藤沢市の造園会社 蛭田造園

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