ああ、鎌倉の大イチョウ。

市野川豊昭「鎌倉を驚かしたる余寒あり」という、

ちょうど今頃の季節を詠んだ高浜虚子の名句がありますが、

ほんとうに驚かされた出来事が起こりました。

鶴岡八幡宮の大イチョウが風雪に耐えられなくなって、倒れたのです。その日の湘南地方は強い風に雪がまじった、この季節最悪の天候。風と雪が一緒になると、その圧力はそうとう強いものになるとテレビで報じていました。樹齢800年以上といわれている鎌倉のシンボルのひとつが、無くなったのです。

私は、妻と連れ立ってよく鎌倉を訪れます。大イチョウも、なじみの鎌倉でした。秋の見事な紅葉を見たのはつい昨年のことです。ですから、ことさらこの出来事は私にとって衝撃的でした。源実朝暗殺の伝説はこの大イチョウを神格化したのでしょうが、それがなくても存在感は圧倒的でした。

鎌倉八幡宮の大イチョウ

3月10日の未明に倒木、その2日後、私は出かけました。神官の見守る中で、職人たちがもくもくと仕事をしていました。倒れてなお威厳をもつ幹、切り刻まれた枝。私の隣で手を合わせる人がいて、私もならって合掌。

鎌倉八幡宮イチョウの倒木

朝日新聞は3月10日の夕刊から連日、この大イチョウに関する記事を掲載しています。たかが木が倒れたのではないことを、これは意味しています。人間は、森羅万象を畏れ尊んで生きている…。神奈川県が率先して樹木の学者や専門家を動員し、子孫を残すための懸命の手立てをはじめました。おそらく、それはうまくいくでしょう。

しかし、あの大イチョウの姿を二度と見ることができないのは、寂しいかぎりです。

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